800年愛され続けた
フランス歴代君主の楽園

フランス・パリから南東へ約60㎞に位置するフォンテーヌブロー宮殿と庭園は、1528年、当時のフランス国王フランソワ1世によって造営された。王家の狩場に過ぎなかった森と館を拡張し、絢爛豪華なルネッサンス様式の宮殿と庭園へ造り変える国家事業。そのために文化・芸術の最先端だったイタリアから多くの芸術家が招聘(しょうへい)された。レオナルド・ダ・ヴィンチもその一人だったという。

国王の熱望と芸術家たちの才により、宮殿は豪奢(ごうしゃ)に彩られていった。写真の黄金にきらめく「フランソワ1世の回廊」は、イタリア人の芸術家がフレスコ画や化粧漆喰などで装飾を施したルネッサンスの傑作だ。
フォンテーヌブロー宮殿と庭園は、その後も歴代君主に引き継がれた。各時代に増改築が行われたため、さまざまな様式が混在し、まるで巨大な歴史博物館のようだ。

19世紀の増改築はナポレオン1世によって行われた。フランス革命終結後に皇帝となった彼はフォンテーヌブロー宮殿を気に入り居城に定め、家具調度品を新調して宮殿内を自分好みに改装・整備した。現在の姿は甥のナポレオン3世が、宮殿の全面的な修復工事を行った当時のもの。1981年にユネスコの世界文化遺産に登録された。

フランス君主のものだった楽園は、約800年の時を経て、フランス国民や世界中から訪れる旅行者の憧れと憩いの場となり、今もなお愛され続けている。

天井画や壁画が見事な「舞踏の間」。フランソワ1世が祝祭用に着工し、息子のアンリ2世の時代に完成(上)。
国王の寝室をナポレオン1世が「玉座の間」に改修。宣誓などの儀式が行われた(中)。
13世紀に聖王と呼ばれたルイ9世が建立した「三位一体礼拝堂」。後にアンリ4世、ルイ13世によってルネッサンス様式に改修された(下)。

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  • 別れの中庭(白馬の中庭)
    フォンテーヌブロー宮殿の正面、馬蹄形階段の前の中庭。モチーフやネーミングは、もともと王の狩場だったことに由来する。ナポレオン1世がエルバ島に流される前にここで彼を慕う兵士たちと別れを惜しんだことから「別れの中庭」と呼ばれるようになった。

  • 英国式庭園
    1589年にブルボン王朝を開いたアンリ4世が命じて造園した「ディアヌの庭園」。のちにナポレオン1世がシンプルなイギリス式に改修した。ディアヌとはローマ神話の狩猟の女神ディアーナをフランス語読みした名前。

  • 鯉の池(Etang aux Carpes)
    歴代の王が祝祭を開いたとされる「鯉の池」。池の畔にある東屋は、1654年にルイ14世の宮廷建築家となったフランス・バロック建築の第一人者ルイ・ル・ヴォーが、アンリ4世の時代に建てられたものを王命により再建。のちにナポレオン1世が修復した。

  • 大運河(Le Grand Canal)
    アンリ4世の命で、広大な庭園の美観を高めるために造成された全長約1200mの運河。釣りやボート遊びなどのレクリエーションにも利用された。アンリ4世の息子のルイ13世は、運河にガレー船を浮かべて楽しんだという。

フランス・パリのシャルル・ド・ゴール空港へは羽田空港からエールフランス航空や日本航空が毎日運航しており、羽田から約15時間。料金は往復で約15万円(サーチャージは別)。空港からフォンテーヌブロー宮殿へは、バスや鉄道を利用する場合は市内を経由して約2時間、タクシーを利用すると約1時間で到着する。
(時期により変動あり 2025年5月現在)
※上記ルート案内は一例です。
※最新情報については、各航空会社の公式WEBサイトなどでご確認ください。

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