
ステンドグラスが 煌めく教会は
パリの聖なる宝石箱

2023年、2024年とスポーツの国際大会が続くフランスに、アフター・コロナの旅先として世界中から関心が集まっている。中でも首都・パリは、フランスの歴史や文化を感じさせるスポットが満載の魅力的な観光地だ。パリの発祥はセーヌ川に浮かぶシテ島と伝わっている。先住民族が住んでいたこの地に紀元前3世紀頃からケルト系のパリシイ人が定住し始め、その後ローマによる支配を経て、シテ島とセーヌ川の左岸を中心に町が形成されていったという。1991年、セーヌ川にかかるシュリー橋からイエナ橋まで約8km の範囲が「パリのセーヌ河岸」と
して、ユネスコの世界遺産に登録された。写真のサント・シャペルやノートルダム大聖堂があるシテ島もそのエリアに含まれている。サント・シャペルは、パリで最も古いステンドグラスがあることで知られる教会。フランス国王ルイ9世がコンスタンティノープルの皇帝から購入した茨の冠や十字架の木片(現在はノートルダム大聖堂に収蔵)といったキリストの聖遺物を納めるために建造され、1248年に完成した。狭い階段を上った2階にある王家の礼拝堂は、壁を最小限に切り詰めた鳥かごのような構造で、1113景もの聖書の場面をモチーフにしたステンドグラスが15の窓にはめ込まれている。ゴシック様式の極致といわれ、ステンドグラスに光が入るとガラスの宝石箱のように煌めく。
シテ島を拠点にセーヌ川の両岸を散策すると、パリに現存する最も古い橋ポン・ヌフ、中世の頃は王宮だったルーヴル美術館、かつての駅舎を転用したオルセー美術館、1889年のパリ万博時に完成したエッフェル塔など、多くの魅力的な美術館や歴史的な建造物に出会うことができる。そして、散策の合間にはおしゃれなカフェや公園、パッサージュ(ガラス屋根のアーケード街)に立ち寄って、パリっ子のように憩いのひとときを楽しんでみてはいかがだろうか。

「聖なる礼拝堂」を意味するサント・シャペルは裁判所の敷地内にある。外観からは内部の繊細な美しさを想像できない(左)。
ノートルダム大聖堂もまた、フランスを代表するゴシック建築。2019年4月の火災により屋根の大部分と尖塔が焼け落ちてしまったが、現在、2024年12月の一般公開再開を目指して、修復工事が着々と進められている。写真は火災前の姿(中央)。
シテ島の隣のサン・ルイ島はパリで最もステータスが高い高級住宅街。絵になるサロン・ド・テ(レストランカフェ)が多い(右)。
WEB限定
アザーカット
Other Cut パリの世界遺産めぐり
国名 : フランス共和国
首都 : パリ(Paris)
面積 : 約54万4000㎢
人口 : 約6,790万人(2022年7月現在)
言語 : フランス語
交通 : フランスのパリの玄関口シャルル・ド・ゴール空港へは羽田空港からエールフランス航空や日本航空が毎日就航している、シャルル・ド・ゴール空港までの所要時間は約15時間、料金は往復約15万円(サーチャージは別)空港から市内へはバスや鉄道、タクシーで40分前後で到着する。
(時期により変動あり2023年5月現在)
※上記ルート案内は一例です。
※新型コロナウイルスの影響で各国のフライト状況、料金等に変更の可能性があります。最新情報については、各航空会社の公式WEBサイトなどで確認してください。


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